[MN-011] Futaba製GH-1の評価

2003.05.04 掲載
 

 

  (↑"高効率D/D"って書いてあるのに)
 

ここ数年の間に受信機用ニッカドの大容量化が進み、電源共用型のプラグヒーターをよく見かけるようになりました。Futaba製の"GH-1"と自作の"ワンタッチヒーター"の性能比較をしてみました。
結論としては、"GH-1"って設計ミスなの?と首をかしげる結果でした。
 

特性値比較

  Futaba GH-1 HomeMade ワンタッチヒーター
方式 DC/DCコンバーター
(同期整流方式)
定電流チョッパー制御
出力電圧 1.1V   2.8V (パルス値)
周波数 約430kHz   20kHz  
出力電力 3.2W (2.9A) 2.5W (目加減)
消費電流 4.1mA 待機時 0.9mA 待機時
1.75A ヒート時 1.0A ヒート時
消費電力 約8.8W 約5.0W
効率 36% 50%
電源リップル値 0.5V Peak-Peak 0.2V Peak-Peak
         

 
上記数値は全て実測値です。(2003.5.2 室温22℃)
 使用バッテリ NiMH 4セル 1800mA/h
 使用プラグ  OS-No.8
 

 

 
GH-1 電源リップル値

 もう少し下げられないのかな
GH-1 プラグ側出力電圧(ACモードで測定)
 
 リップル値は0.1V以下みたいです
 
ワンタッチヒーター 電源リップル値

ワンタッチヒーター プラグ側出力電圧

 

Futaba"GH-1"は5W以上の放熱をしている訳ですが、主に発熱しているのはDC/DCコンバータ用ICと100uのタンタルコンデンサ(2つ)でした。
1分間連続使用(説明書の定格時間)での上昇温度を測定してみました。
 
IC -> 21.8℃(0秒) 51.1℃(30秒) 63.9℃(60秒) Δ42℃
タンタル -> 21.8℃(0秒) 42.7℃(30秒) 56.6℃(60秒) Δ35℃
 

約40℃近い温度上昇ですのでタンタルは大丈夫でしょうか。測定は基板状態で行っていますので、ケースに入れると更に悪化するはずです。
(ワンタッチヒーターのFETは30秒で約40℃の温度上昇です)
 
なぜこんなに効率が悪いのか?
使用しているDC/DCコンバータ用のICのスペックが不明なのではっきりしたことは分かりませんが、出力の下限値が1.1VのICをスペックオーバーで使っているような気がします。
コンデンサーも実装スペースの問題か、ICの出力特性の理由でタンタルを使っているみたいですが、これからは大容量積層セラミックスの時代です。

それと出力電圧1.1Vはちょっと高すぎるような気がします。プラグは焼き切れんばかりに真っ赤になります。
 
(おわり)

Indexへ戻る