バランサーを使った充電について (2008.09.22)
最近のリポはメーカー出荷時に、かなり高い精度で電圧を揃えられています。
良好なセルはその差が1〜3mV以内にそろっているような例も多数見受けます。
きちんと製造管理されたリポ(パック)については、必ずしもバランサーを使った充電の必要は無いのではと思わせます。
なぜならばバランサーの電圧精度は概ね±5mV程度しか無いからです。
(バランサーケーブルにもよりますが、シュルツの充電器でさえそんなものです)
バランサーを使うことにより、かえってバランスを崩してしまうことにもなります。
自分の場合は良好なセルの場合はセルのコンディションを確認する為に、ACMで電圧を見ながら直列充電しています。
特に充電完了時はmV単位でチェックして電圧のばらけ具合を見て、使用の適否、セルの性能を判断する材料にしています。
では、このようなリポの場合はバランサーは不要なのでしょうか?
バランサーのもうひとつの大きな目的は、充電完了電圧のチェックを2重化できることです。
バランサーを使うことによる安全上のメリットを考えると、特に理由が無い限りは使った方が良いです。
前記のバランサーの電圧誤差は使用上で問題になることは有りません。
例えば、3セルのリポの場合を例に取ると、
■充電器本体は12.6V迄充電して、充電回路を閉じます。
■多くのバランサーは各セルの電圧をチェックして、4.25V位をで電流を遮断します。
最大の場合でも、4.25V × 3 = 12.75V で充電を止める訳です。
(充電電流によっては完全に遮断はできない場合もありますが)
充電器が暴走(設定ミスを含む)してもバランサーで充電を止めることができる訳です。
最近は充電器にバランサーを内蔵したタイプが主流になりつつあります。
ただし、バランサー内蔵の充電器が2つの制御回路を独立して持っているのかは疑問です。
フェールセーフとして考えるとバランサーは別物(別回路)になっていた方が良いのではと思います。
リポの慣らし放電について (2008.09.19)
実際のところ、メーカー出荷時に充放電テストをしていますので、ニッカドのような慣らしは不要と感じます。
ニッカドは2週間も使わないとセルが眠ってしまいますが、リポに関しては1〜2ヶ月位は問題無いです。
店によっては1年以上前の在庫品をそのまま売っているところもありますが、そのようなリポは要注意です。
(リポの寿命、初期の性能を維持できるのは概ね2年と言われています。使っていなくても同じです。)
では、なぜリポの慣らしが必要と言っているのかというと、
放電させて各セルの電圧を確認(パワーが取れるかの確認)をしてもらいたいからです。
慣らし放電させる際に殆どの人はセル電圧、充電量、放電量をチェックしますよね。
新品リポの場合は、まず初めに各セルの電圧をチェックします。
最近のリポは出荷時に3.8〜3.9V位となっていますが、その差は悪くても0.02V以内に入っています。
0.05V以上差があれば、要チェックです。バランスが崩れている原因としては
1.セルごとの充電量のばらつき
2.活性化されていないセルがある
3.セル自体の製造上のばらつき
いずれの場合もバランスチャージ、放電を数回行って状況を観察します。
チェック項目としては、
充電完了時の電圧
放電時の各セルの平均電圧
放電時の容量
放電電流について
ある程度の負荷をかけないと不具合は見えてきませんので、定格レートの5割〜7割程度で放電させることを薦めています。
容量を確認するだけであれば、1Cとか、1A とかで放電させても良いでしょう。
シリコンケーブルの許容電流値 (2007.08.27)
よく聞かれるので自分の場合の例を示します。
通電能力は外皮の耐熱温度によって変わりますが、シリコンケーブルの場合は耐熱200℃が一般的です。
連続通電させる場合は、16AWG で 20A 位を目安にしています。(30分とかの本当に連続の場合)
これでもかなり熱くなりますが、火傷をするほどではありません。
この比率で行くと
14AWG で 32A
12AWG で 50A
10AWG で 80A となります。
ケーブルの温度が上がるまでの短時間、フライトで使用するような場合は上記の5割増し位までは許容範囲と思います。
AWG(American wire gauge)直径換算表