放電制御セルメーター ACM-V1 
 
 
2007.09.25 掲載
2007.12.13 更新
 
  

  ACMの使用例

 

各社リポの接続例

  

更新情報

2007.12.13

データ取り込み用のエクセルファイル ACM-DATALOGER-071213.xls を更新しました。
ワットメーターモードでも使用可能になりました。本ページの後半でダウンロードできます。

計測精度の表記漏れを追記しました。(0.1%±○○となります)

電流プローブ25Aでノイズの多い充電器等のモニターをする際の誤動作について対策しました。
(出荷されているACMについては対策済みです)

 

 [ACM-V1取扱説明書 2007.11.07]  ← PDFファイルです
  

製品の概要

 
本製品は大電流放電器EL150Wを制御するための多機能セルメーター(2S〜4S)として開発されました。放電させるリポの各セル電圧をチェックして、EL150Wをオートカット可能です。

16ビットのADコンバーターを搭載し、電圧、電流、温度、時間を一元的に管理する高精度なバッテリ用計測器として構成されています。

セル電圧テスター、充放電器のモニター及び精度測定、正確な放電試験、モーター電力測定も可能です。(電流、温度の測定には別売のプローブが必要です)

 

計測データはPCへの取り込みが可能ですので、データロガーとしても機能します。データを表計算ソフト(エクセル)へ取り込むマクロシートを公開しています。

ハンドヘルド機器用のアルミケースを採用した使いやすい形状、センサーケーブル等は全てソケットを採用しています。

  

機能の一覧

セル電圧テスター(セルメーター)

放電制御(ディスチャージ)

積算電力計(ワットメーター)

制御パラメーター設定

ダイナミックキャリブレーション(校正モード)

データロガー機能 
 

製品の仕様

 
使用可能リポ  2S〜4S(公称電圧7.4V〜14.8V)

最小動作電圧  約5.6V (2S放電時は注意)

消費電流    約4mA〜20mA(動作モードによる)

ADC解像度              16ビット(アナログデバイセス製品を採用)

液晶表示               16文字2行(バックライト無し)

放電器制御               2系統(接続ケーブルは別売)
-> EL-150Wを2台並列接続して使用可能。最大30A(300W)で放電可能。

外部温度計              反応速度の速いサーミスタ方式を採用(温度プローブは別売)

データポート              RS-232C-TTLレベル(接続ケーブルは別売)

その他
プログラムはネット経由でバージョンアップ可能(接続ケーブルが必要)
ブザーによるアラーム付き、操作ボタン3ヶ付き、アルミケース外装

 

計測範囲と精度

 
電圧計測範囲  最小0.1V 最大約30V 入力抵抗 約0.9MΩ

電圧計測解像度 約0.5mV 表示単位1mV 精度0.1%±2mV程度(シングルエンド4ch)

 

(EL150W-01の場合)

電流計測範囲  
(EL150W-01を1台の場合)                      0.1A 〜 連続15A程度
(EL150W-01を2台で並列運転の場合)           0.1A 〜 連続30A程度

電流計測解像度 約3mA 表示単位0.01A(差動2ch)
精度0.1%±0.02A(EL150W-01、10A以下の場合)

(電流プローブ25Aの場合)

電流計測範囲      
(放電方向)0.01 A 〜 連続25A 短時間30A
(充電方向)0.01 A 〜 連続6A程度

電流計測解像度 約6mA 表示単位0.01A(差動1ch)
精度0.1%±0.01A(電流プローブ25A使用、20A以下の場合)

 

温度計測解像度 0.1℃ 精度±1〜2%(20℃〜80℃)

時間計測精度  時計用クリスタルの精度

 

パソコンとのデータ通信用ケーブルについて
 

ACMのデータポートはRS-232C(TTLレベル)ですので、パソコンのシリアルポート(COM1等)と直結はできません。MAX232と呼ばれるICを内蔵したレベルコンバータケーブルが必要になります。

ハイペリオン製のEメーター、タイタンESC用ケーブルについて動作確認をしています。ACMのソケット形状もハイペリオン製のケーブルに準じています。

以下のリンクはハイペリオンのケーブル、ドライバソフト等のリンクです。

http://media.hyperion.hk/dn/pc/hpconnect.htm

 

パソコンにシリアルポートがある場合
  

#HP-PCCABLE:
Hyperion TITAN  SERIAL 4-Pin Adapter Cable

パソコンのシリアルポート(DSUB-9ピン)へ差し込みます。似たような形状のポートがありますので、パソコンの取扱い説明書をよく確認してください。最近のパソコンはシリアルポートが無い製品も多いです。

 

USBポートを使用する場合(パソコンにシリアルポートが無い場合)
 

#HP-TI-PRGUSB:
Hyperion TITAN  USB/SERIAL 4-Pin Adapter Cable

最初にドライバソフトのインストールが必要です。
ケーブルをPCへ接続する前に、以下の英語ページから最新版のドライバーをダウンロードしてインストールをしてください。(Windowsであれば、一番上にある VCP Driver Kit をダウンロードします。)

CP210x USB to UART Bridge VCP Drivers

  

COMポート番号の確認
  

接続したシリアルポートのCOMポート番号を確認します。
パソコン本体のシリアルポートに接続した場合はCOM1又はCOM2となっているはずです。
パソコン本体のマニュアルを参照してCOMポート番号を確認してください。

USBポートを使う場合は、コントロールパネルを開いてデバイスマネージャで確認します。
確認方法がわからない方は以下を参考にしてください。(Windowsの場合)
 
 
 COMポート番号の確認方法

 
 

書換え用プログラムのダウンロード
 

ACM本体の内部プログラムをバージョンアップするために、以下のファイルを適当なフォルダーへダウンロードしてください。

バージョンアップ機能はWindowsパソコンでのみ可能です。他のパソコン、OSについては一切のサポート、情報提供不可能です。
 

tinybld193.zip

(書換え用プログラム)

ZIP形式で圧縮されています。ダウンロードして、任意のフォルダーへ解凍してください。
 

ACM_prg_071028.HEX

(ROMデータファイル)

マウスを右クリックして、”対象をファイルに保存” を選択して保存画面を開きます。書換えプログラムを解凍したフォルダーへ保存すると作業がしやすいです。
 

”ファイルの種類” はデフォルトで ”テキスト ドキュメント” になっていますが、”すべてのファイル” を選んで保存してください。そうしないとファイルの拡張子に”TXT”が付加されてしまいます。
 (ファイル名の後ろ6桁の数字は年月日を表します

 

 
ACMのバージョンアップ
作業の手順
 

ステップ 1: 作業用に充電されたリポを準備してください。
空に近いリポの使用は避けてください。セル数は、2S〜4Sのいずれでも構いません。

ステップ 2: 通信用ケーブルがパソコンのCOMポートまはたUSBポートへ接続されていることを確認します。

ステップ 3: HP-EM-PCCABLE ケーブルの4ピン側をACMのDATAソケットへ接続しす。
HP-TI-PRGUSBを使用する場合はケーブルに付属する3線アダプタを取り付けて、4ピン側(線は3線)をACMのDATAソケットへ接続します。
 
 <接続状況の写真> ソケットへは正しい一方向にしかささりませんので、向きをよく確認してください。

ステップ 4:書換え用プログラム(tinybld193.exe)を起動します。
右上の”Browse”ボタンを押して、ROMデータファイル(ACM_prg_xxxxxx.HEX)を読み込みます。
画面左側にある”Comm”欄の上段のプルダウンメニューから ”57600” を選びます。
同様にケーブルが接続されているCOMポート番号を選択します。(COM1〜COM4)

COMポート番号が選べない場合は(例えばCOM6とか)、テキストボックス内の数字を半角文字で直接書き換えてください。

ステップ 5: ACMのバランス端子へリポを接続してACMを立ち上げます。

ステップ 6: 画面左中程にある ”WriteFlash” ボタンを押します。
プログラムは”Search”となり、ACMを探し始めます。

ステップ 7: 上記画面で”Search”している間に、ACMからリポを抜き、1秒程度待って、再度差し込みます。(瞬間的に抜き差しをしないで。ということです。)

ステップ 8: プログラムのアップデートが始まります。書換えに要する時間は10秒〜20秒程度です。(お使いのパソコンの性能により時間は変わります)

ステップ 9: アップデートが完了するとACMが自動的に起動します。
ACMの起動画面に出る日付を確認することによりバージョンアップされたことが確認できます。


画面で EROR が表示されてうまくいかない場合は、
上記ステップ 6、7を何度か繰り返して見てください。

 

 
データロガー機能の概要
 

提供されるファイルはマクロを組み込んだエクセルのファイル(ワークシート)です。
計測データのモニター、読み込み、ワークシートへ貼り付けるコマンドが含まれます。
 
使用にあたっては、MicroSoft製Excel2000 もしくはそれ以上のバージョンが必要です。
(現在の所は、上位バージョンについては動作検証は行っていません)

ワークシートへデータを貼り付けるコマンドは、各セルへ分割されて貼り付けられるようにしてありますが、うまく動作しない場合は以下による方法で手動で各セルへ分割してください。

データがある列(縦方向)を選択し、エクセルのメニューから、”データ” -> ”区切り位置” を実行します。”区切り位置ウイザード”が起動しますので、 ,  (カンマ)を指定して分割してください。

ワークシートへデータが取り込まれれば、表計算機能を使って、データの加工、グラフ描画、データベース管理等、色々な使い方が可能となります。

エクセルでのグラフ描画の例 ← グラフのY軸に第2項目軸を設定して温度データを表示する例

エクセルでの個々の作業については当方は一切のサポートを行いません。

(データロガーの画面)
 
 
        

ACM-DATALOGER-071011.xls

ACM-DATALOGER-071213.xls

(Excell200のワークシート)

ダブルクリックするとエクセルが起動してしまいますので、マウスの右クリックで、”対象をファイルに保存” を選んで、任意のフォルダーへ保存してください。

(ファイル名の後ろ6桁の数字は年月日を表します
 

エクセルで上記ファイルを読み込むとツールバーへ起動ボタン が追加されます。 
まず初めに、
以下の内容を参考にして初期設定を行ってください。
 

ACM-DATALOGERの初期設定と起動方法

上記の初期設定を行うと でデータロガーが起動するようになります。

エクセルのデータロガーを動かしているプログラム部分(マクロ)は配布したファイル本体へ保存されています。このファイルをコピーするとマクロも一緒にコピーされてしまい、バージョンアップの時に古いマクロが残ってしまい、場合によっては混乱する可能性があります。
配布したファイル(ACM-DATALOGER-XXXXXX.xls)はHDD内でコピーをしないほうが良いと思います。

普段は配布したファイル(ACM-DATALOGER-XXXXXX.xls)を開いた状態でデータロガーを起動する使い方が良いと思います。計測したデータを別のファイルへ保存したい場合は、新規にファイルを開いて、シート単位またはデータ部分のみをコピーして保存すればOKです。

または、別のファイル(新規ファイルも含む)を開いて、 を押すと、エクセルはACM-DATALOGER-XXXXXX.xls を自動的に開いてデータロガーを起動します。
この場合は、ファイルをそのまま保存してもマクロはコピーされないはずなので大丈夫です。
ただし、ACM-DATALOGER-XXXXXX.xls のファイルのパス(保存場所)が変更された場合は新たにアイコンの初期設定をする必要がありますので注意してください。

 

 

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