サーボコントローラ
[ServoSignalGenerator & Reader]
 
2002.06.04 掲載
2002.10.08 更新
 

 
 (左:自分の送信機の1chのニュートラル 右:サーボを動かしています)
 
 
サーボ信号を生成して、ダイレクトにサーボモータを動作させます。
リンケージや動作チェックでちょっとサーボを動かしたいときに受信機なしで動作します。

信号生成と計測部は別回路となっているため入力を切り替えることで、受信機からの信号を入力してパルス長、周期をチェックすることもできます。

表示部は0.001msの解像度あります。これはPCMプロポの解像度と同等ですので、受信機に接続すれば、送信機のニュートラル特性やトリム1コマの変化もきちんと見えます。
 
動作原理
サーボ信号についての情報はメモのページを見てください。

信号生成部はCMOSタイプのタイマーIC(7555)によるマルチバイブレーターとし、パルス長が約1msから2msをカバーできるような定数としています。パルス長を変化させると周期が10%程度変化しますが、実用上の問題は無いようです。負論理の出力なのでロジックICで反転させてマイコンへ入力させています。
信号生成可能な範囲は抵抗などの誤差にもよりますが、0.950〜2.050msです。

表示と計測はワンチップマイコン(PIC16F628)で処理しています。計測時間幅が約1msで解像度が0.001msなので約1000ステップとなるため、16BITのタイマーで処理しています。

実はこの回路は4年前に作製し、PIC16F84で動作させていました。内臓されたタイマーが8BITであるため、どうしてもとり切れない表示誤差がありましたが、今回はすっきりと解決できました。
 
作りはじめる前に
仕上りとしてケースに入れる場合はボリュームの位置にもよりますが、右下の部分の基板をあらかじめカットしたほうが良いと思います。

アルミケースに入れてみましたが性能の差は実感できませんでした。今回使用したケースはプラスチック製としました。

[キット以外に必要な物]

■ケース タカチ製 プラスチックケース SW-120 W60XH24XD120
 〜 
何個かは在庫していますので入手できない方は問い合わせ下さい

■サーボ延長コード 〜 半分に切ってオス・メスとして使います

■バッテリ接続用コード

■4.8Vの受信機用バッテリー
 

製作例
基板の穴あけは0.7mm〜0.8mmでとりあえず全部あけてしまいます。部品が入らないところは再度必要な径で孔あけして下さい。
ハンダごては10〜20W程度、プリント基板用ハンダ径0.5〜1.0mmが適しています。
[部品面実装図]を参考にしてください。
 
ケースに入れるつもりなので、基盤の右下隅はカットしました。はんだ付けの順番は背の低い部品から行います。

最初に300Ω10K,100,47Kの抵抗を取り付けます。切り取った足をジャンパー線に利用します。

コンデンサ類とクリスタルを取り付けます。

クリスタルが22pのコンデンサに干渉する場合は寝かせてください。足を曲げるときは根元にストレスがかからないように余裕をもって曲げること。

右上のタイマーICはソケットを使わないで直付けした方が安定します。

右端のトランジスタはPNPで左の4つはNPNです。向きが違うので注意してください。

40ピンのICソケットはケースに入れる際の高さ調整のために2段重ねで使用しています。足の数の方が穴数よりも多いので、不要な足は切り取ってください。

ソケット底部で、ジャンパー線が当たるところはカッターで切り落としてください。

右上の電解コンデンサも寝かせて取り付けます。

後はコネクタとボリューム間の配線をします。

電源を入れる前に、基板パターン図と照らし合わせてはんだブリッジ(ショート等)が無いことを確認してください。 

ケース加工は結構大変でした。これで完成です。
単4サイズのニッカドを4本内臓しました。

50kΩのボリュームはケースの高さぎりぎりなので位置決めは正確にします。

修正部分

 
(現行版のキットは対策済みです)
基板のパターンで修正箇所が見つかりました。
赤色の部分(サーボリードのグランド)を周囲のグランドと接続してください。ハンダブリッジで1箇所接続すれば十分です。
使用例
 
■送信機の精度(安定度)をチェックする場合(エルロン)■

サーボコントローラ -> 受信機の1ch(エルロン)に接続 
表示切替スイッチ -> 左側(外部信号)
バッテリは受信機側又はサーボコントローラ側のどちらかに接続

この状態で送信機のスイッチを入れてみてください。
トリムをセンターとすると、フタバ製のセットであれば 1.520 付近の値を表示します。
左側にスティックを動かし、静かにニュートラルに戻してみてください。
同様に右側に動かして戻してみます。
ニュートラル時の値がどの位変化するでしょうか?
自分のFF9は1.518〜1.522程度となり 0.004msのブレがありました。

エルロンの場合はさほど問題になりませんが、ヘディングロックのジャイロ
を使用するラダーなどの場合はセンターが合わなくなってくるはずです。
(0.004msはトリム1コマに相当します。)

1ch〜4chはスティックに接続されたボリュームの良し悪しにより、ニュートラルの安定度が決まってくると思われます。

■サーボを単体で動作させる場合■

サーボコントローラ -> サーボに接続 
表示切替スイッチ -> 右側(生成信号)
バッテリはサーボコントローラ側に接続

ボリュームにより生成信号長が変化してサーボが動作します。
この状態で最大動作範囲、"感度"が分かります。

"感度"とは生成信号を微妙に変化させてサーボが反応するかということです。デジタルサーボ等のいわゆる高級サーボは0.001msの解像度があることが分かります。
一昔前のサーボとか、最近の台湾製のマイクロサーボのなかには、0.010msの感度がないものもあります。これではトリムが利かないですよね。

使い込んだサーボなどもたまにチェックしてみます。サーボのボリュームがへたってくると動きがおかしくなってくることが数値的につかめます。

■CCPMタイプのヘリのメカ積み■

サーボのニュートラルを正確に出してからへりに搭載しています。

サーボを単体で動作させる場合と同じ手順ですが、ボリュームを廻して、
信号長を1.520msとします。
この状態でサーボホーンを90°づつ位置を替えて取り付けてみて、一番直角に近い状態とします。次に三角定規などを使って完全に90°となる位置にサーボコントローラで調整します。この時の表示値をメモっておきます。

”送信機の精度(安定度)をチェックする場合”と同様にして、そのサーボを使用するチャンネルのサブトリムを調整します。先ほどメモした値となるようにサブトリムを調整するわけです。

■異なるメーカ間の調整■

このようなことにも威力を発揮します。
 
aa_mn-010.htm

 

[回路図 Servo-sg-2.gif]   [資料一式 Ssg-manual.pdf 234KB] 

 

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